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税務調査の事前通知がきた場合の対応|通知内容や避けるべき行動なども紹介

税務調査に先立って行われる通知について当記事で解説しています。
事前通知でどのようなことが知らされるのか、事前通知を受けて納税者はどのように対応すべきか、安心して税務調査に臨むために押さえておきたい基本的なことをここで紹介します。

税務調査の前には通知が行われる

税務調査における事前通知とは、納税者に対して「これから実地調査を行います。」という旨を知らせることを意味します。
2011年の税制改正を経て、原則として税務調査に先立って通知を行うこととされています。

《 事前通知を行う目的 》

  • 納税者が調査に備えるための時間を確保するため
  • 調査の透明性を高めるため
  • 納税者の権利を保護するため
  • 調査の円滑な実施を促進するため

ただし、通知を行うことで資料や財産などを隠したりする可能性が高いと思われるような事案だと、課税の公平を確保するため事前通知は行われません。

事前通知の内容

事前通知すべき内容は国税通則法(第74条の9)にて具体的に列挙されています。

  • 調査開始の日時
  • 調査を行う場所
  • 調査の目的
  • 調査対象となる税目
  • 調査対象期間
  • 調査対象となる帳簿書類その他の物件

その他にも、「円滑な調査の実施のために必要として政令で定められた情報」も通知されます。
調査の日時や場所はもちろんですが、準備範囲にも関わる調査対象期間の項目、そして調査対象となる帳簿書類等についてはよく確認しておきましょう。

事前通知の方法やタイミング

事前通知のやり方は法令上決められていませんが、基本的には電話による口頭で行う運用となっています。
ただ、電話での連絡が難しいケースでは書面による通知が行われることもあります。
※納税者側から書面での通知を求めても応じれくれるとは限らない。

もし顧問税理士を付けているなら、事前に同意しておくことで、税務代理権限証書を出している税理士に対して通知が行くようになります。

なお、事前通知の時期に関する明確な規定はないものの、一般的には調査予定日の2〜3週間ほど前に連絡がなされることが多いようです。
前日などに突然通知がなされることは考えにくいですが、1週間ほど前に連絡が来る可能性もあるため注意してください。

事前通知を受けてからの対応

事前通知を受けたとしてもその時点で不正が疑われているとは限りません。
落ち着いて対処しましょう。
通知内容をよく確認し、顧問税理士がいる場合は速やかに連絡を取ることが望ましいです。

税理士に実地調査の対応を依頼することもできますので、適切なアドバイスや支援を受けながら安心して調査に臨むことができるでしょう。
顧問税理士がいない場合でも、この機会に税理士を探すことも検討すると良いです。

また、どうしても日程の調整が必要な場合、変更の申し出をすることも可能です。
理由次第では日程の変更が断られる可能性もありますが、正当な理由があるのならある程度融通が利かせてくれるでしょう。

税務調査までに準備するもの

事前通知を受けた場合、すぐに調査に向けての準備を開始します。
自社の財務状況を再確認することが、潜在的な税務上の問題点を把握する良い機会にもなるでしょう。
以下に主な準備内容を取り上げます。

調査までに進めること詳細
取引関係の資料の整理調査対象期間(通常3〜5年分)の帳簿や請求書、領収書などを揃える。これらは取引の存在や金額の正確性を証明する重要な資料となる。大口取引は特に要チェック。
帳簿類の整合性チェック申告書類や、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳などの帳簿類は会社の財務状況を把握するための基本的な資料。各種資料間の数字に整合性が取れていることをチェックしておく。
イレギュラーな取引の確認通常の営業活動以外の取引(固定資産の売却、関係会社との取引など)に関しては特に注意深く確認する。税務上の取り扱いが複雑な取引だと調査官の関心を引きやすく重点的に調べられる可能性が高い。国外取引にも留意する。
雇用関係の書類整理給与計算や源泉徴収、役員報酬や賞与、退職金などに関わる書類を整理し、内容を確認しておく。
事務所の整理事務所や工場内、金庫、棚などを整理整頓しておくと調査をスムーズに進めやすい。パソコン内のファイルも要チェック。
会社概要資料を備える会社組織図・会社案内など、会社の全体像を把握できる資料があると説明がスムーズになる。特殊な製品やサービスを取り扱っている場合は、その説明資料やサンプルなども用意しておくと良い。

わからないことがあれば税理士に相談して、サポートを受けながら対応を進めていくようにしてください。

事前通知を受けたときにしてはいけない行動

税務調査の事前通知を受けた際、もし申告内容の正確性に自信がなかったとしても、以下の行動は絶対に避けなくてはなりません。

  • 帳簿書類の改ざんや破棄
     ・・・これは違法行為であり重大な罰則の対象となる。
  • 虚偽の説明や根拠のない発言
     ・・・調査官の質問に対し軽はずみに発言をしたり、根拠のない回答をしたりすることは避けるべき。
  • 調査の拒否や非協力的な態度
     ・・・税務調査については納税者に協力義務が課されている。正当な理由なく拒否や辞退はできない。
  • 関係者への口裏合わせの要請
     ・・・従業員や取引先に虚偽の証言を求めることも違法。
  • 調査官への贈答や接待
     ・・・これは贈収賄に該当する可能性がある。

誠実な態度で臨み、円滑な調査進行に協力すべきです。
税理士が付いていればどのように行動すればいいか、何を準備すればいいか、アドバイスがもらえるでしょう。

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